少子化の風景/3
◆男の育休、マイナス査定◇法施行13年、取得率0.44%
「会社に出て来なかったんだから、評価が下がるのは当たり前だろう」。神奈川県内の自動車部品メーカーに勤務する白川和隆さん(42)は、上司の言葉が耳に残る。
99年5月、白川さんは自分以外の大半の同期や3年下の後輩までが、昇格試験を経て主事になったことを知った。試験は査定に基づき、所属職場の上司が推薦しないと受験できない。白川さんの査定は、98年には「B」に下がり、上司から推薦されなかった。「評価が下がったのは、育児休業を取ったからですか」と尋ねた白川さんに、上司は「そういうことだ」と答えた。
98年に、男性社員としては会社で初めて育児休業を取得した。長男礁(しょう)君(7)が97年11月に生まれた当時、証券会社勤務の白川さんの妻、香名さん(38)は、中国関連の大型ビジネスを手掛けていたため、2カ月間の産休後、すぐに復職。白川さんは「自分の手で育てたい」と思い、保育園には預けず育児休業を申請した。上司は「どうしても取るのか」と困惑したが、白川さんに迷いはなかった。
有給休暇も組み合わせ、98年1月から礁君が満1歳になった同11月まで、育児に専念。ほ乳瓶による3時間置きの授乳、オムツの交換など、育児ストレスを感じながらも、子供の成長を間近に見る幸せは何物にも代えがたかった。しかし復職後、会社は厳しかった。30歳で主任にスピード昇格した白川さんが育児休業後、課長級になったのは、同期より4、5年遅れの昨年4月だった。
03年には二男の滉(こう)ちゃんが生まれた。仕事が忙しかったこともあるが、白川さんは「また不利な扱いを受けるかもしれない」と思い、育児休業をあきらめ、保育所に預けた。白川さんの後、同社で育児休業を取った男性社員は誰もいない。
未来が見えますか:人口減時代の日本 第1部・少子化の風景/3
毎日新聞 2005年1月7日
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